たとえば今、新品で買ったマーチンやギブソンのギターが、50年後100年後には、今ある1950年代や60年代のヴィンテージギターのような音に変化するのだろうか?ボクは期待できないと思う。 ボクが最初にマーチンD 28を新品で購入したのは1978年。その年ギブソンのJ45もローンで購入した。当時札幌ポールタウンの玉光堂に〈マーチンおじさん〉と呼ばれている人がいて、けっこうお世話になった。「マーチン社はチカラがあって世界中の良い木材を優先的に確保していて、その残りがギブソンに行き、ギルドなんかはまたその残りで作られているんだよ」そんな話を聴かされボクは「ふーん」みたいな感じだった。「1978年この時点でもうその材料が枯渇し始めていて今後ますます良い材料のギターはできなくなるんだよ」 木材の不足が加速し止まらない。良い材料のウィンザー•チェアがなくなった。だからどうしてもイギリスのヴィンテージになっちゃうんだなあ。まだ良い木材があった頃のマーチンやギブソンはモノがちがう。良いモノを作ろうとした時代から売れるモノを作るつまらない時代になっちまったんだよ。つまらないモノは経年してもボロくはなるが育たない。興味のある人にしかわからないつまらない話でゴメンナサイ。そういった意味で1972年のこのYAMAHAは最後のヴィンテージなのかも知れないな。